なにしろ、1ヶ月前まで幼稚園に通ってた幼い子が大きなランドセルを背負って、車の行き交う道路の端を歩いて通学するのですから、親としては事故が心配になるのが当たり前です。
ランドセルには通学上の安全性を高めるための工夫があります。ランドセルを選ぶ時には是非ともチェックしてみてください。
ランドセルに見られる安全性を高める工夫
夕方の暗い時刻、場所で車のライトに反射する機能
暗い時刻で自動車がヘッドライトを点灯している時に、ライトを反射してドライバーから子供たちの存在がわかるように工夫がしてあります。
どれぐらい工夫してあるのかの程度は、メーカーによって違いがあります。
ランドセル全体の輪郭が光るランドセル
フィットちゃんは他のランドセルメーカーと違って、ランドセルの輪郭全体が光る「安ピカッタイプ」のランドセルを増やしています。
これは、カブセの鋲や横ベルトなどの小さな部品が光に反射するよりも、ドライバーからは良く目立ち子供たちにとっては安全性が高まります。
360度の角度からライトの反射が見える
子供たちが薄暗い通路を歩く場面は少ないと思っている方が多いかもしれませんが、実際には案外多いのです。
両親が共働きをしていると、児童館で夕方までを過ごしたあと帰宅したり、塾で勉強して帰宅すればもっと遅く暗い夜道を歩くこともあります。
そういう理由で、暗い道をランドセルを背負って歩く小学生は案外と多いのです。だからこそ、ランドセルが360度の角度からライトに反射すれば、ドライバーから視認できます。
殆どのランドセルメーカーはそのように、安全性を高める工夫をしています。
安全ナスカンについて
安全ナスカンは、大マチの横ベルトに取り付けられたナスカンが、15~20kgなどの大きさの外力がかかると(メーカーによって外力の大きさは違う)外れるようになっています。
これによって、子供たちの安全性がどのように保てるのかというと、ランドセルに全てが入らないと、ナスカンに体操袋をぶら下げることになります。
安全ナスカンに荷物をぶら下げる危険性
- ぶら下げた体操袋が自動車に巻き込まれる
- 体操袋が走って来た自転車に巻き込まれる
- ぶら下げた体操袋がエレベーターの扉に挟まれる
安全ナスカンの問題点
安全ナスカンとは、ある一定以上の危険な力が加わることでナスカンが外れるという仕組みです。子供たちの通学途上の事故を防ぐために予防的に有効なシステムです。外れたらその場で差し込み直せばまた使えるという便利なシステムといえます。
しかし、萬勇鞄がいうように欠点があります。それは、安全ナスカンが外れることで、そこに使われているプラスティック表面の抵抗力が低下して、特に危険な場面でなくても少しの力で外れるようになってしまうということです。
このことが実際にそれほどの問題になるのかどうかははっきりとはしませんが、すぐに外れる安全ナスカンもあるから、敢えて安全ナスカンにしていないのです。
「ララちゃんランドセル」の安全ナスカン
その欠点を補う安全ナスカンが「ララちゃんランドセル」の安全ナスカンです。しかし、ララちゃんランドセルの安全ナスカンにも欠点があって、安全ナスカンが壊れて外れるというシステムなので、一旦外れた時には壊れています。
この場合、ララちゃんランドセルに連絡して新品の安全ナスカンを無料で送ってもらうことになります。すぐに取り付け出来ず少し時間が必要ということだけが、ララちゃんランドセルの欠点だといえます。
安全ブザー用ダブルDカン
幼い小学生を狙った事件が跡を絶ちません。安全ブザーがすぐに使える位置にぶら下げておくと、とっさの時に安全ブザーが使える可能性が高くなります。
萬勇鞄にかぎらず、たいていのメーカーで画像のように肩ベルトの両側にDカンがあります。つまり右利きでも左利きでも使いやすい方の手で操作できる側に安全ブザーを取り付けられるようになっています。
お母さんがたに少しだけ助言したいことがあります。それは安全ブザーはぶら下げているだけではとっさの時には使えないということです。
それは気持ちに余裕が持てない怖い思いをしている時に使うものだからです。何度も安全ブザーを実際に使う練習をしておいてくださいね。
ランドセルは後頭部を保護する
ランドセルの安全性というテーマを取り上げています。ランドセルが安全のために本来持たせている機能ではありませんが、後方に転倒した時に後頭部を打撲から守ってくれます。
どんな時に後方に転倒するか?実際にあった例ですが、ランドセルの持ち手を後ろから引っ張られて後方に転倒した子がいました。
ランドセルには大マチで厚みがあるので、後頭部を保護してくれました。思いがけない後方への転倒があったときに、弱い後頭部を守ってくれる。そんなこともあるんですね。
川に転落した時に浮き代わりになる
ランドセルを背負ったまま川に転落した時に、暫くは浮きの代わりになると聞いたことがあります。とはいっても、中に水が入り切れば浮かなくなるのでそれほど役立つとは思えませんが、運次第な要素が大きいのは否めません。