
背カンには開くタイプ、固定して動かないタイプの2つがあります。
最近のランドセルを触ってみると、背カンの部分が動かない固定されたものは殆どなく、動く構造になっているものが殆どです。動かない固定型などは見たことがないほどです。
その理由は背カンが動いた方が背負ったり降ろしたりしやすという点と、もう一つはランドセルが背中にピッタリとしやすいからです。
左右に開く背カンには左右連動型と非連動型の2種類があります。
左右が連動して動く背カン(天使のはねの左右連動型背カン)と、左右が別々に動く背カン(フィットちゃん背カン、ウイング背カン、ラクラク背カンなどの左右非連動型背カン)の2種類です。
特徴
背カンの機能については、各メーカー独自の調査・研究による結果があるのみで、客観的な調査・研究がランドセル工業会などでされているわけではありません。
それぞれのメーカーの基準で研究がされているので、各メーカーは自社の採用してる背カンのメリットは紹介していますが、デメリットには触れる事はありません。そういう点を踏まえて背カン別にまとめてみました。
固定背カン
例)左の写真の背カンはまったく動かないので、肩ベルトも開きません。説明によると、肩ベルトが肩からずれないから負担がかからないとしてあります。確かに肩ベルトが左右に開かないのでずれにくいとはいえるかも知れません。
そして背カンの破損事故も少ないであろうと予想できます。確かにそういう長所はあるかもしれませんが、体格が大きくなった時に肩ベルトが開かなくて窮屈な問題は必ず起こるので、その方が問題が大きいと予想できます。
こういう固定背カンを使っているランドセルは少ないので手に取る事もまずないでしょうし、選択時に迷う事も殆どないでしょう。
左右が開く2つのタイプの背カンの詳細
- 背カンが左右に開くことで、ランドセルの背あてが背中にピタッと近く寄る。イメージできるでしょうか。広い背中であっても、背カンが開くことで、肩ベルトが開くので、背あてが背中に密着しますね。
- 肩ベルトが開くと、着脱しやすい。
連動型の背カンの場合
左右が連動して動く背カン:左右の肩ベルトが連動するという意味は、例えば右の肩ベルトが20度開くと左の肩ベルトも20度連動して外側に開くという事です。背負った時にランドセルが体の真ん中に無かった場合、片側の肩ベルトだけにランドセルの重さがかかってしまい、反対の肩ベルトは浮いた状態になります。
違和感があるため子供がランドセルを正しい位置に修正するか、動いている内にランドセル自体が正しい位置に移動することでしょう。ずっと偏った位置にランドセルがあるとこうことは無いでしょう。背カン部分は弱いバネ構造になっているので、肩ベルトは適切な位置に戻るようになっています。ただ実際の体感的上はそれほど違和感があるとも思えません。
非連動型(左右の肩ベルトが別々に動く)
この背カンが最も機能的に優れています
左右の肩ベルトが独立して別々に動くために、背負う時にランドセルが真ん中に位置していなくても、左右の肩ベルトは肩にフィットします。連動型と同じように子どもが違和感を感じてランドセルを良い位置に修正することもあります。非連動型の背カンもバネ構造になっていて、左右の肩ベルトは弱い力で閉じた状態に戻ります。
連動型と非連動型には大きな違いはありませんが、敢えて言えば非連動型の方が少し優れているといえるかなというところです。それはランドセルが偏った位置から良い位置まで修正する能力が非連動が方の方がやや高いからです。